第4回 6月28日 自然のエネルギーの実力は? ~原発の課題と自然エネルギーの実力~   講師: 牛山泉氏

 

原発について
 
2012年末、世界30カ国、435基の民生用原発がある。世界の電力の12%を供給している。原子炉の基数はアメリカ、フランスに次ぎ日本は3番。福島事故にもかかわらず、継続或いは拡大を計画している国が中国、フランス、イギリス、インド、パキスタン、北朝鮮、ロシア、アメリカで、これらはある意味では核兵器の製造能力がある国ということだ。
 放射線廃棄物の処分問題、事故の問題、決して安くないコストの問題、保険会社が引き受けるところがない、にもかかわらず日本で原発を推進する理由は、何時でも核兵器が出来るように用意したいという人々がいるからだ。第二次大戦後の米ソ冷戦体制の中で日米安保に組み込まれて、核を持ちたい人たちが日本の政官、財界で非常に強い力を持っていた。

 

風力発電
今世界の風力発電全体では、3億kw、原発300台。
日本では原発の夜間電力の調整のための揚水発電所が再生可能エネルギーの安定化にも使うことができる。
日本の風力発電の潜在量は、環境省のデータで、北海道電力管内だけで6,500kW、北海道電力の設備容量600kw10倍強ある。
風力発電が拡大しない2つ理由は、起きた電気をつなぐ送電線がないこと。環境アセスメントに非常に時間がかかること。去年から、国が半分出して、新しい送電線を造る事業が始まった。アセスメントも改善され来年くらいからたくさん入るようになる。

 

 風車の規模は大きいのが直径が80~90メートルぐらいが一番ポピュラー。2MW級の環境貢献は平均風速7メートルで1年間に一台700kWhくらい発電する。一般家庭の1400世帯分。この電力を石油火力だと石油17,000kℓ、二酸化炭素5,000トンも発生する。杉の木で換算すると36万本に相当する。13万台つくれば日本の電気はまかなえる、

 

 

 

太陽光発電

 

地球上に降り注いでいる太陽のエネルギーは我々人類が使っているエネルギーの1万倍といわれている。日本の陸上には使用量の100倍降り注いでいる。

 

2003年ぐらいまでは日本が世界のトップだったがドイツが一歩先に固定価格買取制度をやると急速に伸びた。固定価格買取制度にいつまでも頼ってはいけないと思う。

 

 

 

バイオマス

 

日本の、製材業というのは輸入材に押されて非常に厳しい状態だった。岡山県真庭市の例で、製材をすると、端の部分などがごみとして出る。その処理のための費用が年間1億円かかる。2000KWの発電機でそれを燃料として使い、年間4億円ぐらいの稼ぎがでる。 

 

森林資源がフィンランドは国土の6%ぐらいで、日本は67%。大きなポテンシャルをもっている。日本と同じような山岳丘陵地が多いオーストリアは、その中でも木質バイオマス上手く使って、国を健全な状態に保っている。

 

 

 

バイオガスプラント

 

農業問題解決するための施設で、その結果として環境問題も解決する。悪臭を軽減出来るというのが大きいが、肥料として非常に良い物ができる。

 

 

 

水力

 

日本は、年間降水量が1800㎜と非常に水の豊富な国、しかも川が3万本ある。まだ未開発のところも沢山あり、大きいダムは難しいが、中小規模の水力ならいくらでも出来る。

 

 

 

地熱発電

 

ポテンシャルは、日本は世界で3番目ぐらいだが、55kwぐらいで10年ぐらい停滞している。自然公園の中の厳しい規制と、温泉業者の反対があったから。温泉と地熱利用の地中深さが異なり影響はほとんど無く、理解が進んでいる。

 

 

 

日本の自然エネルギーのポテンシャル

 

風力大きいが、太陽、中小水力、バイオマス、地熱で合計すると、かつて54基あった時代の原発の44倍になる。

 

 

 

自然エネルギーの組み合わせ

 

足利工大で風と光とバイオマスを組み合わせた「トリプルハイブリッドシステム」がある。自然エネルギーの不安定性に対し1つ安定した物を入れればいい。場所によっては小水力発電でも良い。これを組み合わせてやるといつでも自然エネルギーでいける。

 

 

 

内村鑑三の「デンマルク国の話」

 

「エネルギーは太陽の光もある。海の波もある。吹く風にもある。噴火する火山にもある。外に広がろうとするよりはうちを開発するべきである」と。外に拡がると結局戦争になってしまう。日本はポテンシャルがあり、技術力もある。高い資源を外国から買ってくる必要はない。

 

 

 

持続可能なエネルギー栽培型文明

 

 人類の長い歴史をみると、狩猟採集から農業を覚え食料を栽培することで生き残ってきた。我々は今まで化石燃料に頼ってやってきたが、エネルギー栽培型の文明に切り変えないと生き残っていけない。 持続可能な社会を作っていくために原子力について、石油について、検証していけば、答えは明らかで、自然エネルギーしか無い。皆さんが市民になっていただきたい。

 

 

 

(文責 二宮豊)