第6回 7月26日 グリーン水素社会への展望 講師 太田健一郎氏

エネルギーと環境

 Energy Economy Environment21世紀の人類の大きな課題であり、3つが深く関連している。

 ・中国、インドアフリカ諸国が豊かな生活を始めたらどうなるか。エネルギーが必要になり、エネルギーの大量消費が地球温暖化をもたらしている。

 ・この3つを同時にうまく解決する方法はグリーン水素社会しかない。

 ・地球温暖化は二酸化炭素が主な原因で1970年代は300PPMと言われていたのがいまや400PPM。地球温暖化に分からないこともあるが、これだけ変わっていいはずがない。

 ・人類は火を持つことによって、だんだん文明が出てくる。利便性も出てくる、生活レベルも上がる。昔は主には木で、古代の文明も木を刈り終わったところで文明が滅んでいる。

 ・人類が化石燃料を使える期間は700年ぐらいしかない。化石燃料のもとは何か、古代の生物に太陽エネルギーが蓄積されたものが地球の中に埋もれてある。それを我々は掘り出して使っている。その蓄積の期間というのは、おそらく、10億年、20億年ぐらいの期間です。それを700年の間にポンと使いきって、空気中に例えばCO2を放り出す。これで環境が変化しないワケがない。

 

環境負荷係数

 ・二酸化炭素は循環しないで大気中にどんどんたまってきている。物質循環しなければうまく行かない。廃熱は、宇宙に放出が上手くできている。エネルギーに関して物質循環をきちっとやればこの中で持続型成長ができる。

 ・炭素(二酸化炭素)と水素(水)の循環を地球規模で考える。

 CO2の滞留時間を決めているのは森林の成長速度みたいになります。大体それが5年ぐらい。

 ・水の方は10日くらいで循環し、炭素とはケタが違う。

 ・環境負荷係数の定義は特にエネルギーに関して、人工的に生成するもの(エネルギー使用によって出てきた量)を自然の循環量で割った値

 ・エネルギー由来の炭素の環境負荷係数は地球全体を見と0.036、日本全体を平均してやりますと、0.86、東京都の区部は35000(人の住めるところではない)。

 ・このエネルギーをすべて水素に置き換えるとすると負荷係数は二桁くらい良くなる。

 

グリーン水素社会

 ・再生可能エネルギーを使って水から水素を作って、これで我々の人類社会の中で使います。エネルギーキャリアとして使って出てくるものは水と、排熱が出てきます。熱が出てきて、熱は外に捨てて、宇宙へ捨てる。再生可能エネルギーは太陽がもたらすものということになりますが、それを利用してまた水素をつくって、こうやって循環する。

 ・地球全体でいったら1000年、2000年を考えてやらなければならない。例えば、エネルギーの消費は、世界全体でもう1桁上がる。つまり10倍以上増えるというような時代になっても、この社会で十分今よりも良い環境が維持できるだろう。

 CCSという考えがあるが、日本でどこに貯蔵するのか。それに頼るべきではない。

 ・これから100年先、200年先のエネルギー、地球のエネルギー、人類のエネルギーを、原子力にずっと依存していくということは別の意味でも大きな問題があります。今の技術では核燃料サイクルはできない。

 ・再生可能エネルギーは欠点として、偏在しているのと、時間的に変動します。

 ・電気をためる方法はバッテリーや揚水ダムなどがあるが1000kmを越える移動(海外から持ってくる)するとしたら水素(最終的には有機水素)をエネルギーキャリアとして使うことが必要になる。

 ・再生可能エネルギーで最も安いのは風力発電である。水素1N㎥(ノルマル立米)考えたら5kWhぐらいの電力が要ります。今国の目標として水素エネルギーのN㎥のコストは30円と言われています。パタゴニアなど世界の中で風況の良いところではkwhあたり5円を切るような陸上の可能性があり、水素エネルギーのN㎥のコストは15円以下になる。ここでは10kWh1年間で取れます。日本の総発電量の10倍取れる。

 

燃料電池と新材料

 グリーン水素を使って電気を送るには燃料電池が一番良い。

 ・水素は怖いというイメージがあるが、軽くて拡散しやすいので意外と爆発しにくい。水素を安全に使う技術は確立されている。ニッケル水素電池はいい例で、既に日常生活に水素は入り込んでいる。

 ・燃料電池の課題は白金を使うことで、コストはかかるし資源量が問題になる。今脱白金化の研究が進められている。

 ・まだまだ水素社会の実現のためには時間がかかるが、持続可能な社会の実現のためにはグリーン水素という考え方は欠かせない。