第7回 8月2日 原発ゼロで日本経済は再生する 講師:吉原毅

【電力会社・原子力ムラからの資金供与】

 

電力会社は巨額な資金を様々な政治家ばかりではなくて、経産省を中心とする役人に対しても、マスコミ関係にも流れており、原発批判に口止めがかかっている。未だに「原発が再稼働しないと日本経済は大変だ」というプロパガンダコラムをズーッと連載している。

 

学会、特に理工系は典型的な利権体質で、原発関係については、電力会社、原子力村から巨額な資金が流れていて、そういう先生は当然、原発養護団となる。お金が入ってこない経済学者の99%は原発なんかはやめたほうがいいのではないかと思っている。

 

 

 

【原発ビジネス】

 

大手銀行は原発にたくさんお金を貸しているので、今更取りっぱぐれて、それが損になったら、潰れるかもしれないし、自分たちの給与や退職金に響く。

 

原発製造会社の東芝も、日立も、三菱もウェスティングハウスやGEから社運をかけて原発のビジネス権を買った。

 

みんな巨額な利権を持っていて、今さら撤退できないから、原発を再稼働しないと困る。 

 

 電力会社は、まともに原発はもうダメだという本当の姿を示したら、バランスシート上、大穴が空く。東京電力はとっくに破綻しているが、原発を持っている巨大な電力会社はことごとく軒並み倒産である。

 

 

 

【金融機関の義務】

 

日本全体、あるいは、人類全体で考えてみても、巨額な不良債権が必ず後で発生するような、そしてまた、みんなわかっているくせに止められない、つまり自分の今の目先の損得で嘘八百を並べて進めている原発ビジネスに対し、金融機関は異を唱える義務がある。

 

 

 

【重商主義の罠】

 

スペインが行った重商主義とは、世界にドンドン物を輸出して、そして、金銀を集める、そうすれば、その国は豊かになるはずである、という学説だが、そうはならなかった。 

 

アダム・スミスは「金銀を集めることが国の豊かさではない。各国が得意な物を作り、それを交換してドンドン良い物が消費者の手元に渡ると、お互いに豊かな暮らしが出来る。国の富は、生産性の向上をはかることにある。」「国と国とが平和に、そして地域のコミュニティが芯となって、お互いに道徳的な良識ある生活をおくるために自由貿易をある程度認めていこう」と言いった。しかし、「自由に上場株式会社が活動することは全然良いことではない。」とまで言っている。そんなことをするとお金を目的として企業経営をするから目先のことしか考えないし、自分たちのことしか考えなくなる。たいてい人間はお金に目を奪われると目先のことしか考えなくなって将来の事を考えないし、人のことを考えなくなる、こういう本質があるということ。

 

 

 

【お金の役割り】

 

人類は小麦の発見により、小麦をお金とする交換経済、分業が発達し、生産性がアップして、人口が急に伸び、文化が発達した。お金の発達は、実は、人間の文明を非常に発達させた原因である。一方で、その結果人間の対立がドンドン増えてきた。

 

お金とは交換機能、価値保存機能、価値尺度機能を持つものである。これは全部自分さえ良ければよいという考え方とイコールである。交換機能により「お金をくれなければ、やらないよ」となり共同体社会が壊れ、個人主義が始まった。貯蔵機能により全部独り占め出来てしまう。価値尺度機能は全部数値化して自分にとってどうかということで、世の中を管理してしまう。貧富の格差が極端に拡大することが起こる。市場経済が野放しになれば当然起こるわけで、既に産業革命以降の第一次グローバリゼーションに同じことが起きていた。

 

 

 

【近代個人主義】

 

理想のない自由、あるいは秩序、価値観のない自由、それが極めて危険なものであり、結局は金権主義になってしまう。それが非常に強くなったのが、戦後であり、特に1980年代からのバブル、そして、バブルの崩壊によって、みんな傷めつけられたが故に「もう社会は信じられない。自分の生活を守るのがやっと」というのが蔓延してしまった。

 

 

 

【地域活性化に果たす再生可能エネルギーの役割り】

 

地方の過疎化の問題がいわれるが、素晴らしい自然、美味しい野菜、伝統文化があって、子育てに最適である。目に見えない資産、収入、安心感と、人と人の繋がり、外部経済、そういったもので全部を考えていけば、地域経済の持つポテンシャルは大きい。それに若者が気づきだした。それに協力していけば、地域活性化になる。

 

 この時の核になるのが、地域の再生可能エネルギーだ。これは、主に太陽からそそぐものだから、面積当たりの単位エネルギーは平等である。首都圏の地域は地価が高いから大面積確保が困難だ。地方の地域で電気エネルギー産業を核として人々がそこに移り住み、そこの電気を都会に売ることによって、地域は現金収入を得て、新たな産業を起こして活性化していく。地域と首都圏の新たな協業関係もできる。

 

再生可能エネルギーの買取価格は高くても構わない。日本国内でお金が流れているのだから、所得分配で、無駄遣いしているわけではない。

 

 

 

【国際収支と日本の景気】

 

日本経済が絶好調だった高度成長期、国際収支は赤字だった。ドンドン外国から物を買ったから。今、日本は、世界最大の債権大国だ。重商主義の罠にかかり、平成元年からズーッと貿易黒字を続け円高が続いている。だから外国から物が入ってきて、その結果、そこで作るのに必要だった人件費とか土地代が全部入ってくるのと同じなので、日本国内の人件費や土地代がドンドン下がるデフレだ。 工場を海外に移転して、何万人もの雇用が減り若い人たちは働く場所を失った。安くても働くようになるから、結果的には格差社会ということになる。

 

原発が事故で止まって、化石燃料買って、貿易収支が若干の赤字になって、ようやく巨額の黒字体質が是正されたからこそ、日本経済が今復活した。「原発を止めれば雇用が無くなって、経済が縮小するぞ」というのは大間違いだ。

 

 日本は再生可能エネルギーと節電技術でもって外部エネルギーゼロによって生きていける社会が出来る。それが大きなビッグビジネスチャンス。と同時に働く場所、活躍できる場所が出来る。

 

                                       

                                       文責 二宮豊